民族教育 2003年度からの新教科書
2003年4月から朝鮮学校の新カリキュラムがスタートしました。教科書も大幅に改編されました。
10年ぶりに変わった教科書は、21世紀を生きる同胞の子どもたちが日本はもちろん、祖国、国際社会で力を発揮できる民族性と実力を育てるための全面改編になっています。

教育内容改編のポイント
  • 国語、朝鮮歴史、地理、社会、音楽、美術など、民族性を育てる科目を充実
  • 科学技術の発展、情報社会への移行に合わせ、理数、情報教育を強化
  • 国際社会に能動的に対処できるよう、日本と世界に関する知識をより幅広く取り上げたこと。
今回の改編がめざしたこと
  • 豊かな民族性、しっかりとした民族自主意識を身につけ、在日同胞社会に対する 正しい歴史認識と主人公としての自覚を持ちながら、ウリナラ、日本や国際社会で 活躍できる資質と能力を備え、
  • 仲むつまじく豊かで、活力のある同胞社会を築くことができる人材の育成をめざし ました。
  • 特に、新しい世代の民族性を育むうえで重要な位置を占める各地の初中級学校を、 さまざまな思想や信条を持った同胞たちの子女を対象とする、広く開かれた民族教 育の場にするために、民族性育成を前面に押し出して教育内容の見直しを行いま した。
改変された初級部教科書の特徴
国 語   社 会
 
「生きたウリマル」習得へ

口語教育を強化しました
身近な生活の一場面を切り取ったストーリー性のある基礎的な会話が中心

4技能(聞く・話す・読む・書く)を総合的に高めます。
民族情緒があふれ、言語感覚を高める教材を新しく盛り込みました。
 

「民族のアイデンティティー」広い視野で―新たに南、統一問題

  • ウリ民族、在日同胞、民族文化
  • 在日一世の体験や同胞コミュニティーを築いてきた業績
  • 在日同胞の権利と生活
  • 南朝鮮社会と統一問題を以前よりくわしく扱います。
  • 日本の地理・歴史・社会についての学習に多くの時間を割きます。
朝鮮歴史   朝鮮地理
 

歴史上の人物を中心に現代まで

  • 原始時代から2000年までを一巡します。
  • 現代史として新たな課を設けました。
  • 朝鮮の文化や生活風習、隣国に影響を与えた朝鮮文化もとり上げています。
 

故郷の知識もしっかりと

  • 地方地理は北部、中部、南部の3地域に分け、風土と特産物、名勝地について述べました。
算 数   理 科
 

楽しく自由に発想、思考

  • 児童たちがより楽しく、自由な発想で算数が学べるよう配慮しました。
  • 本文に複数の人物を登場させ、それぞれの考え方を紹介することで思考の幅を広げるようにしました。
  • 「算数広場」・「特別ページ」・「知識袋」など、好奇心を刺激する補充教材も。
 

自然に対する感動を

  • 直接的な体験、観察に基づいた学習を通し、子どもたちが自然に対する興味を抱き、学ぶ意欲を引き出せるようにしました。
日本語   音 楽
 

正確に理解、判断する子に
―読解と作文を強化

  • 日本語の総合的な力と共に、日本の社会、文化にたいする知識を深めるようにしています。
 

民族的情緒と創造的な表現

  • 民族独特のリズム、チャンダン教育に力を入れます。
  • ウリナラ、海外、在日社会で歌われるわらべ歌、歌謡曲、在日同胞が作った歌を増やしました。
図画工作   保健体育
   「学年別新教授要綱」に基づいて、「保健」、「体育」の授業をより体系的に行うようにしました。

「感じ方から創る」新ジャンル

  • 「アロンダロン」「アルラクタルラク」など、朝鮮語特有の擬声擬態語から発想し、創作する試みです。
  • 五感を通じて直感的に「民族」を感じとるようにしました。